この節では FreeBSD のインストールの準備から, 実際にインストールするところまでをひととおり解説しています. もし, 何か足りないな, と思われる部分に気付かれましたら, FreeBSD documentation project メーリングリスト まで電子メールでお知らせください.
訳注: FreeBSD documentation project メーリングリスト へのメールは英語でお願いします. 日本語訳に関するお問い合わせや, 英語でのやりとりが不安な方は 日本語ドキュメンテーションプロジェクト
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FreeBSD をインストールするには, その前にさまざまな準備作業が必要になります. これから, それぞれのインストール方法に対して どのような下準備が必要かを説明します.
まず最初に, あなたの使っているハードウェアが FreeBSD でサポートされているかどうか確認しなければなりません. これには, サポートされている設定一覧 の節が便利です. ;-) SCSI コントローラやイーサネットアダプタ, サウンドカード等, あなたのマシンが装備している“拡張カード”のリストを作っておくと良いでしょう. このリストには割り込み番号 (IRQ) や IO ポートのアドレスといった, 拡張カードの設定に関する内容も書いておきます.
何枚かのフロッピーディスクを用意します. これらのディスクは あなたのコンピュータを起動して, インストーラを起動するのに使用します. この手順は, あなたのシステムが CDROM からの起動をサポートしていて, CDROM からインストールを行う場合には必要ありません. もしそうでなければ, 起動用のフロッピーが必要です.
Note: あなたのシステムが CDROM からの起動をサポートしているかどうかわからない場合は, 試してみてください. 普通にドライブに CDROM を入れてシステムを再起動します. その際, システムがハードディスクよりも先に CDROM から起動を試みるように, BIOS の設定を変更する必要が あるかも知れません.
Tip: もしあなたが CDROM を持っていても, ファイルをダウンロードすることには意味があります. それは, CD がリリースされた後に FreeBSD のインストーラのバグが見つかった場合, FTP サイトのイメージは速やかに修正されるからです. 当たり前のことですが, プレスされた後の CD が修正されることはありません.
起動フロッピーイメージの入手
イメージは .flp という拡張子のファイルです. FreeBSD の CD-ROM を持っている場合は, floppies サブディレクトリの中にあります. また, FreeBSD の FTP サイトの floppies ディレクトリおよび, そのミラーサイトからイメージをダウンロードすることも可能です.
ファイルの名前は (時々) FreeBSD のリリースによって, またインストールを行うアーキテクチャによっても異なります. FTP サイトにあるインストール用起動ディスクのイメージに関する説明において, あなたが必要とするファイルに関する最新の情報が提供されています.
フロッピーディスクの準備
ダウンロードしたイメージファイル一つに対して, 欠陥の無いフロッピーディスクを一枚用意する必要があります. 欠陥が無いことを確認する簡単な方法は, ディスクをフォーマットしてみることです. フォーマット済みで販売されているフロッピーディスクを信頼してはいけません.
Important: FreeBSD をインストールしようとした時に, インストーラがクラッシュもしくはフリーズしてしまったり, 不正な振る舞いをする場合にまず疑わなければならないのは, 起動フロッピーです. 別のディスクにイメージファイルを書き込んで, もう一度試してみてください.
イメージファイルのフロッピーディスクへの書き込み
kern.flp というイメージファイルは, ディスクにコピーする通常ファイルではありません. これらはディスク全体の内容を含んだイメージファイルです.
したがって, DOS の copy のような コマンドを使用してファイルを書き込むことはできません. これには, イメージを直接ディスクに書き込む特別なツールを使用する必要があります.
もし DOS が動いているコンピュータ上でフロッピーを作成する場合は, わたしたちが提供する fdimage というツールを使用します.
E: にある CD-ROM を利用して起動フロッピーを作成するには, 次のようにします.
E:\> tools\fdimage floppies\kern.flp A:
これをそれぞれの .flp ファイルに対して 毎回新しいフロッピーディスクに入れ換えながら繰り返します. コマンドは .flp の存在する場所に応じて調整してください. もし CD-ROM を持っていない場合には, FreeBSD の FTP サイトの tools ディレクトリから fdimage をダウンロードすることができます.
(他の FreeBSD システムなどの) UNIX システム上で 起動フロッピーに書き込む場合は, dd(1) コマンドが利用できます. FreeBSD 上でなら, コマンドの実行は次のようになるでしょう.
# dd if=kern.flp of=/dev/rfd0
FreeBSD 上で /dev/rfd0 は 一台目のフロッピーディスク (A: ドライブ) を表し, /dev/rfd1 は同様に, 二台目のフロッピーディスク (B: ドライブ) を表します. 他の異なる UNIX システムでは, フロッピーディスクのデバイスに 違う名前が使われているかも知れません. 必要に応じて, それぞれのシステムに付属する文書を参照する必要があるでしょう.
あなたの CDROM ドライブが FreeBSD でサポートされない型である場合は, MS-DOS パーティションのセクションをご覧ください.
BSDi の FreeBSD CD-ROM からインストールする場合は, 準備作業のすべてを行なう必要はありません (その他の CDROM でもそうだと思いますが, わたしたちはその CDROM の構成を知りませんので, 確実にそうかどうかはわかりません). Walnut Creek の CD-ROM に収録されている install.bat で直接 FreeBSD を起動することもできますし, makeflp.bat で起動フロッピーディスクをつくることも可能です.
CD が El Torrito 規格の起動をサポートしていて, あなたのシステムが CDROM から直接起動する機能をサポートしているなら (多くの古いシステムは サポートしていません), 単に FreeBSD の CD の一枚目をドライブに CD を入れてシステムを再起動してください. すると CD から直接起動して, インストールメニューが表示されます.
MS-DOS パーティションからインストールするつもりでいて, CD ドライブにアクセス可能なドライバが組み込まれているなら, CDROM に入っている install.bat スクリプトを起動してください. これは, DOS から直接 FreeBSD のインストールへと進みます.
Note: これは本当の DOS から行なわなければいけません (たとえば DOS モードで起動するなど). Windows の DOS プロンプトからでは駄目です.
(DOS から) 最も簡単なインタフェースを使うには, view と入力してください. すると DOS メニューユーティリティが起動し, 可能なすべてのインストール方法の選択ができるようになります.
UNIX システム上で起動フロッピーを作成する場合は, このガイドのインストールフロッピーの作成のセクションを参照してください.
DOS から, もしくはフロッピーディスクからの起動が完了したら, インストールプログラムでインストールメディアとして CDROM を選択することができるようになっているはずです. すべての配布ファイルは, CDROM から読み込まれますので, 他の種類のインストールメディアは不要です.
システムのインストールがすべて終わって (ハードディスクから) 再起動したら, 次のように入力することで, いつでも CDROM をマウントすることができます:
# mount /cdrom
CD をドライブから取り出す前にはまず, 必ずアンマウントする必要があります. アンマウントは次のコマンドで行なうことができます.
# umount /cdrom
単純にドライブから取り出さないように!
Note: インストールに入る前に CD-ROM をドライブに入れておいて, インストールフロッピーディスクが立ち上がるときに CD-ROM を見つけられるようにしておくようにしましょう. CD-ROM をデフォルトでシステムにつけ加えたい場合も CD-ROM を入れておきます (インストールメディアとして実際に CDROM を選択しない場合も同様).
おわりに, あなたのマシンの CD-ROM を直接使って, FTP 経由で別のマシンに FreeBSD をインストールさせたいとします. やり方は簡単です. あなたのマシンのインストールが終了した後に, vipw コマンドを使って, passwd ファイルに以下の行を追加します.
ftp:*:99:99::0:0:FTP:/cdrom:/nonexistent
こうするとあなたのマシンにネットワーク接続できる人 (そして, login 許可を持っている人) は, メディアタイプとして FTP を選択できるように なります. 具体的には, FTP サイトの選択メニューから ``Other'' を選択して, ftp://あなたのマシンのアドレス を入力します.
Note: もしインストールの途中であなたのシステムの anonymous FTP を有効にしたなら, 上の設定はインストーラが自動的に 行います.
あなたがフロッピーディスクからのインストールをしなくては ならない場合 (私たちはこの方法を とらない ことを強く提案します), その理由はハードウェアがサポートされてなかったためか, 単にいばらの道を通ることを楽しんでいるからでしょうが, インストール用の フロッピーディスクを用意する必要があります.
最低でも bin (基本配布ファイル) ディレクトリ内のすべてのファイル を入れられるだけの 1.44 メガバイトか 1.2 メガバイトのフロッピーディスク が必要です. これらのフロッピーディスクを DOS で作成している場合は, フロッピーディスクは「MS-DOS の FORMAT コマンドでフォーマット」 されなくてはなりません. Windows をお使いの場合は, Windowsのエクスプローラを使用してディスクを 初期化してください. (A: ドライブを 右クリックして, "フォーマット"を選択します).
工場での初期化済みディスクを「信用しないでください」. 念のためにあなた 自身でフォーマットし直してください. ユーザからのトラブル報告の多くは ちゃんと初期化されていないディスクを 使用していたことが原因となっています. 私が特にフォーマットし直してくださいと述べているのも, この理由からです.
他の FreeBSD マシンでフロッピーディスクを作成している場合, フォーマットすることは悪いことではありません. いちいち DOS ファイルシステムのフロッピーディスクを作成する必要は ありませんので, disklabel コマンドと newfs コマンドを使って, 次のような手順で (3.5 インチ 1.44 メガバイトディスク用の) UFS ファイルシステムを 作成することもできます.
# fdformat -f 1440 fd0.1440 # disklabel -w -r fd0.1440 floppy3 # newfs -t 2 -u 18 -l 1 -i 65536 /dev/rfd0
Note: 5.25 インチの 1.2 メガバイトディスクの場合は "fd0.1200" と "floppy5" にしてください
これで他のファイルシステムと同様に mount して書き込むことができます.
フォーマットされたフロッピーディスクを用意したら, それらにファイル をコピーしなくてはなりません. 配布ファイルはいくつかのかたまり にわかれていて, これらのかたまり五つで一般的な 1.44 メガバイトの フロッピーディスクに収まるようになっています. フロッピーディスクに 入るだけファイルを入れていって, 配布ファイルをすべてコピーしてください. それぞれの配布ファイルはサブディレクトリに コピーする必要があります. たとえば, a:\bin\bin.aaや, a:\bin\bin.abのようになります.
インストールメディアの選択場面になったら, “Floppy” を選択して, 残りの指定をやってください.
ハードディスクの MS-DOS パーティションからインストールするときは, まずファイルを c:\freebsd にコピーします. CD-ROM にあるディレクトリ構造を反映してコピーしなくてはなりません. そこで, DOS の xcopy コマンドの使用をおすすめします. たとえば, FreeBSD の最低限のインストールをするには, このような手順で コピーします.
C:\> md c:\FreeBSD C:\> xcopy e:\bin c:\FreeBSD\bin\ /s C:\> xcopy e:\manpages c:\FreeBSD\manpages\ /s
ここで, C: ドライブには十分なディスクスペースが残っており, CD-ROM は E: ドライブに接続されているものとします.
CDROM ドライブを持っていない場合, ftp.FreeBSD.org から配布ファイル (DISTS) をダウンロードすることができます. それぞれの配布ファイル (DISTS) は, それぞれ独自の ディレクトリに入っています; たとえば, bin 配布ファイルは 8.1/bin ディレクトリにあります.
MS-DOS からたくさんの配布ファイル (DISTS) をインストールしたい (そしてディスクの余裕がある) 場合は, それぞれ c:\freebsd ディレクトリにコピーします -- BIN 配布ファイルは, 最低限必要なものです.
テープからのインストールは, おそらく FTP を利用したオンライン インストールか, CD-ROM を利用したインストールができない場合の, もっとも簡単な方法でしょう. インストールプログラムは, 以下のような コマンドを使用して, 単純に配布ファイルがテープ上に tar されていることを 期待しています.
# cd /freebsd/distdir # tar cvf /dev/rwt0 dist1 ... dist2
インストールに入る前に, テンポラリ (一時使用) ディレクトリに 十分なディスクスペースを確保して, 作成したテープのすべての ファイルを格納できることを確認してください (テンポラリディレクトリは 自分で選ぶことができます). テープの特性上, ランダムにアクセスするこ とができませんので, 一時的に極めて大量の容量を必要とします. テープに準備しただけの量のディスクスペースを 一時的に使用することに 留意してください.
Note: インストールに入るときは, 起動フロッピーディスク から立ち上げる 前 にテープをドライブに入れておかなくてはなりません. さもないとインストール時のデバイス検出のときにテープを 見つけられません.
三つの物理的な接続形態で, ネットワーク経由のインストールを おこなうことができます. シリアルポート (SLIP もしくは PPP), パラレルポート (PLIP (laplink ケーブル使用)), またはイーサネット (標準的なイーサネットコントローラ (いくつかの PCMCIA カードにも対応)) を使用することができます.
SLIP のサポートはまだまだ原始的とも呼べる方法なので, ラップトップと 他のコンピュータをシリアルケーブルで接続するといった具合いに, 直接接続してなくてはいけません. SLIP インストールは, ダイヤル機能を 持っていませんので, インストールするためには直接接続しなくてはなりません. PPP インストールではダイヤルアップ接続が可能ですので, できれば PPP 接続の 方を選択しましょう.
もしもあなたがモデムを使用しているなら, あなたに残された選択肢は ほぼ間違いなく PPP インストールでしょう. インストール時に必要になりますので, サービスプロバイダ (ISP) に関する情報を用意しておきましょう.
PPP ダイヤルの際は, とてもシンプルな端末エミュレーターで 作業することになります. もし ISP に接続するのに PAP や CHAP を用いるなら (言い換えると, もしあなたが Windows で ISP に接続する時に スクリプトを使用していないのであれば), dial と ppp のプロンプトに対して入力 するだけでいいです. しかしそれ以外の場合は, お手持ちのモデムで ISP にダイヤルするための``ATコマンド''の使い方を 知っておく必要があります. これ以上の情報については, handbook や FAQ のユーザー PPP エントリーを参照してください. 問題が起きた場合には, set log local ... コマンドを用いてログを画面に吐くこともできます.
FreeBSD (2.0R 以降) の動いている別のマシンと直接接続が可能でしたら, “laplink” パラレルポートケーブルで接続することを考えてみましょう. パラレルポート経由のデータ転送スピードは, シリアルラインでの 一般的なスピード (最高 50kbit/sec) よりもずっと高速ですので, 高速にインストールすることができます.
最後になりますが, ネットワークインストールのうちでもっとも高速なものとしては イーサネットアダプタを使用するのがあげられます. FreeBSD ではきわめて多くの PC イーサネットカードをサポートしています. サポートされている カードの表 (と, 必要な設定) は, サポートされているハードウェア に書いてあります. サポートされている PCMCIA カードを使っている場合には, ラップトップの電源を 入れる「前」に差し込んでおくことにも注意してください. 残念ながら今の FreeBSD は, インストール時の活線挿抜には対応していません.
ネットワークでの IP アドレス, あなたのアドレスクラスに対応した ネットマスク, マシン名を知っておくことも必要です. PPP 接続を利用したインストールを行いたいけれども固定 IP アドレスを持っていないという場合は, ISP が自動的に IP アドレスを割り当てます. ネットワーク管理者の方に たずねればどんな値を使ったらよいかを教えてくれるでしょう. もしも他のホストを IP アドレスではなくて名前で引きたい場合, ネームサーバとゲートウェイ のアドレスも知らなくてはなりません (PPP をご使用の場合は, プロバイダの IP アドレスになります). HTTP proxy (下記参照) 経由で FTP インストールを行いたい場合は, proxy サーバのアドレスも必要になります. これらのうちのすべて, またはいくつかを 知らない場合は, イーサネット経由でのインストールを始める前に「まず」 ネットワーク管理者に相談してください.
NFS インストールはまったく単純明解です. FreeBSD の配布ファイルを サーバの好きな場所にコピーしておいて, メディア選択で NFS を選択します.
もしサーバが “privileged (特権) ポート” へのアクセスのみをサポート している場合, (Sun ワークステーションの標準ではこうなっています) インストールを進める前に Options メニューを選択して, ``privileged port'' オプションを選択してください.
イーサネットカードの性能が悪くて, 転送速度が遅くて困っている場合も, 適当な Options を選択するとよいでしょう.
NFS 経由でインストールするためには, サブディレクトリも 含めたマウントにサーバが対応している必要があります. たとえば, FreeBSD 8.1 の配布ファイルが ziggy:/usr/archive/stuff/FreeBSD にあるとすると, マシン ziggy では /usr や /usr/archive/stuff だけではなく, /usr/archive/stuff/FreeBSD の直接マウントが可能に なっていなければなりません.
FreeBSD の /etc/exports ファイルでは, このことは -alldirs
オプションによって制御されています. 他の NFS
サーバの場合だとまた話が違ってくるかもしれません. もしもサーバから “permission
denied” というメッセージが 返ってくるようでしたら,
サブディレクトリマウントをちゃんと 有効にできていないことが考えられます.
FTP 経由のインストールは, FreeBSD 8.1 の最新バージョンを ミラーしているどのサイトからでも可能です. 世界中の妥当な FTP サイトの 選択肢をメニューに並べておきました.
このメニューに出ていない他の FTP サイトからインストール する場合や, ネームサーバの設定に問題が生じた場合は, メニューでサイト ``Other'' を選ぶところで, お好みの URL でサイトを指定することができます. URL として直接 IP アドレスで指定してもよく, 直接指定した場合はネームサーバ がなくても FTP インストールが可能になります. たとえば, 以下のようにします.
ftp://209.55.82.20/pub/FreeBSD/8.1-RELEASE
FTP 経由のインストールを行う場合, active, passive, HTTP proxy 経由の三種類のモードが利用できます.
すべての FTP 転送の際に “Active” モードを使用します. ファイアウォール内部のマシンではうまく動きませんが, passive モードをサポートしていない古い FTP サーバでも 動作します. passive モードでの FTP 転送 (こちらが デフォルトです) が失敗した場合は, active を使ってください.
すべての FTP 転送の際に “Passive” モードを使用します. このモードを使用することで, ランダムポートアクセスインを 許さないファイアウォールを 越えることができるようになります.
この方法では, (ウェブブラウザと同様に) HTTP プロトコルを使って proxy サーバに接続し, FTP の操作を実現します. proxy サーバは FTP 要求を (訳注: HTTP から FTP に) 変換して FTP サーバに送るため, ファイアウォールが FTP 接続を禁止していても, HTTP proxy サーバが提供されていれば ファイアウォールを超えた FTP 接続を行なうことが可能です. この方法を用いる場合は, FTP サーバの他に proxy サーバを指定する必要があります.
Note: FTP proxy には HTTP proxy タイプでないものもありますが, そういったタイプは非常にまれです. どちらであるかわからないような場合は大抵, 上で述べている HTTP proxy タイプであると考えて良いでしょう.
通常 proxy FTP サーバに対しては, ユーザ名の一部として “@” 記号に続いて実際に接続したいサーバの名称を与える必要が あります. そうすると proxy サーバは本当のサーバの「ふり」 をするようになります. たとえば: ftp.FreeBSD.org から ポート番号 1234 で要求を待つ proxy FTP サーバ foo.bar.com を使って インストールしたいとします.
この場合では, 「オプション」メニューで FTP username を ftp@ftp.FreeBSD.org, パスワードとして自分の電子メールアドレス を指定します. インストールメディアとして FTP (または proxy サーバがサポートしていれば passive FTP), URL を以下のようにします: ftp://foo.bar.com:1234/pub/FreeBSD
ftp.FreeBSD.org の /pub/FreeBSD に対する FTP 要求については foo.bar.com が代理で処理をおこなうことになり, むこう のマシンからインストールすることができます (インストール時 の要求により ftp.FreeBSD.org からファイルをもってきます).
BIOS の, ケーブルのつなぎ直しを必要としない番号の 付け替え機能を利用している場合は, 混乱しないように, まずはじめに Section 15.1 を読んでください.
ここまでのインストールの準備段階を状況に応じて完全に行うと, FreeBSDをインストールする準備が整います.
何かうまくいかなかった場合は, あなたが使おうとしている インストールメディアのことが書いてある箇所まで戻って もう一度読むとよいでしょう. おそらく最初読んだときに 見落していた, 有効なヒントがあるものと思います. ハードウェアの問題が出てきたとか, FreeBSD がまったく 立ち上がらない場合は, boot フロッピーディスクに提供されている Hardware Guide を読んで, 何か解決方法はないか探してください.
FreeBSD の起動フロッピーディスクには, インストールをおこなうために 必要と思われるすべてのオンラインドキュメントを用意してあります. もしもそのドキュメントがお望みのものでないようでしたら, 私たちはあなたが何にもっとも困っているのかを知りたいと思います. コメントを FreeBSD documentation project メーリングリスト にお送りください. FreeBSD のインストールプログラム (sysinstall) を, うっとうしい “step-by-step” ガイドなしに, プログラム自身で使用方法がわかるようにするのが最終目標です. 目標達成までには時間がかかりそうですが, ともかくそれが 目標なのであります :-)
閑話休題. ここに, “典型的なインストールの手順” を まとめてみましたので, お役にたてるものと思います.
kern.flp を書き込んだフロッピーで 起動します. その後, 指示に従ってこれを取り出し, mfsroot.flp を書き込んだフロッピーを ドライブに入れ return キーを叩きます. ハードウェアの性能に よりますが, 起動には 30秒から 3分かかります. 起動したら 初期選択画面が出てくるでしょう. もしも kern.flp からまったく起動 しなかったり, どこかの段階で起動が止まってしまった 場合は, ハードウェアガイド の Q&A を読んで, 理由を探ってみます.
F1 キーを叩きます. メニューシステムとインストールプログラム 全般に対しての使い方が表示されます. このメニューシステムを 使ったことがない場合は, 徹底的に読んでください.
Options を選択し, 他に必要な特別な選択を おこないます.
典型的なインストールでおまかせしたいか, それぞれの段階をいちいちコントロールしたいか (可能であれば適切なデフォルトを使用して) 簡単にさっさと 済ませたいかによってそれぞれ, Standard, Custom, または Express を選択してください. FreeBSD を初めて使う方には, Standard を一番におすすめします.
final configuration メニューからは, メニュー形式のさらに 進んだ設定をおこなうことができます. ネットワーク周りの 設定は, 特に CD-ROM / テープ / フロッピーディスクから インストールして, まだネットワーク設定をおこなっていない 人にとっては特に重要でしょう. インストールの時点できちんと 設定しておけば, ハードディスクからシステムを立ち上げ直した 時点でネットワーク接続ができるようになっていることでしょう.